加齢に伴う疾病

虚血・再灌流障害

虚血・再灌流障害は、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる血栓によって、長時間血流が阻害(虚血状態)になることで周辺細胞が壊死した場合、血流が再開されても壊死した部分で活性酸素などの有害物質が発生し、細胞を傷つけるために起こる障害を言います。虚血時間や臓器の種類により障害の程度は異なります。

虚血・再灌流障害の仕組みは、虚血状態にある細胞がエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)を使った結果、ATPが分解され、ヒポキサンチンに変化します。ここに血流が再開することによって酸素が供給され、ヒポキサンチンはキサンチンに作り替えられます。この時、活性酸素(スーパーオキサイド)が発生、細胞を傷つけます。これを「再灌流障害」といいます。

虚血・再灌流障害は、心筋梗塞や脳梗塞、腸間膜血管閉塞症などに対する治療や臓器移植後にみられることが多いです。再灌流障害は、局所的に起こるだけではなく、二次的に脳や肺、肝臓や腎臓など全身の臓器で障害を起こし(遠隔臓器障害)、多臓器不全を起こします。

初期の腎臓移植において、急性拒絶反応のひとつとして知られるようになりましたが、現在では、長時間血流を止めた臓器に血液を流す場合は、活性酸素を抑える働きをするスカベンジャーという物質を共に流すようになっています。

また、災害などで瓦礫に圧迫されて虚血状態になり、救出により再び血液が流れだしますが(再灌流)、圧迫部位や時間によっては、活性酸素や毒素が全身を回り、心停止などに至ることがあります。