老化現象

物忘れ

加齢による老化現象に、物忘れがあります。物忘れには、体験したことの細かい部分を忘れてしまう「生理的な物忘れ」と、体験したことすべてを忘れてしまう「病的な物忘れ」があります。

記憶力は20歳代をピークに、加齢とともに減退しますが、日常の体験から積み重なれ、知能全体では50歳ごろまで伸び続けます。しかし、60歳ごろになると記憶力や知能周辺機能にも衰えがみられるようになり、判断力や適応力が衰えます。65歳を過ぎるころには物忘れが多くなりますが、生理的な物忘れのことが多く、病的な物忘れは、様々な知能障害を伴い、日常生活に混乱をきたしながら進行していくものです。

老化に伴う生理的な物忘れの特徴は、食事したことは覚えていても、「食事内容が思い出せない」や「顔は分かるが名前が思い出せない」など細部を忘れてしまう、物忘れを自覚している、人格変化があまりない、などがあります。病的な物忘れの特徴は、「食事したことを忘れる」など体験したこと自体を忘れてしまう、物忘れの自覚が乏しい、人格が変わるなどがあります。ただし、生理的な物忘れを繰り返すことで軽度の認知症になり、そのまま放置するとアルツハイマー型認知症になる可能性が高くなるといわれます。

物忘れの原因である脳の老化は、年齢とともに脳細胞が減少し、加齢に伴う老人斑や神経原線維変化が増えることで神経細胞が減少して起こります。また、友人や配偶者の喪失体験や身体の衰えが強いストレスとなり、正常な記憶や思考などの障害となり、認知症に似た症状が出ることがあります。